2008年12月24日水曜日

佐山展生編『社長の器』を読む

 本書『社長の器』(日本経済新聞出版社)はM&Aの旗手として知られる企業家にして一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授佐山展生の編著である。内容は、彼の講義に登場した企業家たちの講演を構成したものである。講座の性向からして企業再生、M&Aに特化しているのは仕方がないことである。ただ、成功事例に多くが語られ、蹉跌の事例を深く掘り下げていないのが残念である。これは、演者がそうしているのか、編集なのかは知る由もない。
 例えば、藤巻幸夫氏の場合。伊勢丹での成功はよく知悉しているがイトーヨーカドーではそれほど評価されてはいない。というより負の評価である。また、澤田貴司氏や同社(リヴァンプ)の玉塚氏がユニクロを抜けてからの爆発的成長はなにを物語るのであろうか?
 そのあたりを読者は聞きたいのではなかろうか?失敗事例にこそ学ぶべきと思う今日この頃の経済情勢である。

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