2009年1月15日木曜日

千本倖生著『挑戦する経営』を読む

 本書『挑戦する経営』(経済界刊)はイーモバイルの会長兼CEO千本倖生の体験記である。現在、イーモバイルと言えば「100円パソコン」。量販店ではかなりの人だかりである。パソコン関係?と誤解する人も多いが、イーモバイルはれっきとした新規参入の通信事業者である。安価なノートパソコンとデータカードを一体で販売しようとするコンセプトである。かっての0円携帯端末と同様なビジネス。
 ところで、千本氏の名はNTTそしてKDDI、イーアクセスでの活躍から経済界ではかなり知られている。僕が、彼に関心を持ったのは今から3年半前。中国のシンセンの「華為(ファウェイ)」という企業を訪れた時のことである。展示ルームには携帯端末がデスプレイされていた。その4年前同社を訪れた際には見当たらなかった風景である。そこでのマネージャーの話。「これはイーモバイル向けの携帯端末である」ちょとした驚きであった。その時は、イーモバイルが携帯事業に進出すると報道されてから日は経っていなかった。そして、携帯端末の製造では無名の企業を登用するとは!そのチャレンジ精神に驚いたのである。
 以来、千本氏の風雲児ぶりは、100円パソコンで更にその名を挙げたのである。それだけを見るとチャレンジャー、ベンチャーの旗手にしかすぎない。だが、千本氏の経営はコスト管理の徹底(「一円の節約は、一円の利益を生む」)など見習う点は数多ある。尊敬できる経営者の一人である。

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