昨日(平成21年1月29日)、神戸の某ホテルにて、東京財団研究員渡部恒雄氏の講演を聞いた。読売新聞社の「ナベツネ」ではない。タイトルは「米国はどこにむかうのか?」真に時宜を得た内容である。渡部氏は、東北大学歯学部を出たあと渡米。ニューヨークの大学院で政治学を学び、その後は戦略国際問題研究所(CSIS)にて10年余りの研究生活を送ったという。
話は論理明快にして弁舌爽やか。父堂は衆議院議員の渡部恒三。福島弁の朴訥なるその人とは大いに異なる。それはともかく、戦略国際問題研究所の10年のキャリアは多くのの知識と人脈を築き上げているいるようだ。彼の口から飛び出す名は現オバマ政権の中枢を担う人々である。特に、今後の日米関係についての言及は興味深いものがあった。メディアではオバマ政権では日米よりも米中関係が重視されるという論調が主流であった。これはいみじくも前民主党政権であるクリントン時代のジャパンパッシングからの類推であろうか。
渡部氏は語る。今回の政権には知日派、親日派が多く日米重視の象徴となっていると。例えば、ガイトナー財務長官。彼はエール大学日本学部の出身。駐日米大使館での勤務もあるという日本語堪能のエリート。退役軍人長官のエリック・シンセキは日系三世。日系として二人目の閣僚である。またアジア担当国防次官補のグレグソンは元沖縄駐留。彼の人格は沖縄ではつとに有名である。
これらの人事は日本にとっては有利というものではないが、若干の望みは持てるかも知れない。それより、世界同時不況の原因であるアメリカの経済の復興こそ緊急の課題である。オバマさん頑張ってとエールを送りたい。
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